スーパーの店頭で見かける、太陽・雲・植物のデザインが特徴的な緑色の「有機JASマーク」。
なんとなく「体に良さそう」というイメージはあっても、その具体的な定義や、なぜこのマークが必要なのかを詳しく知る機会は意外と少ないかもしれません。
今回は、近年ますます注目が集まる「オーガニック」「有機」の真の意味と、その信頼を支える公的基準「有機JAS制度」について解説します。

INDEX
「オーガニック」や「有機」と聞くと、ヘルシーで健康的なイメージを抱く人が多いのではないでしょうか。
しかし、その根底にある本来の目的は、自然のサイクルを大切にする「持続可能な循環」にあります。
農薬や化学肥料などの人工的な物質に頼らず、土壌や微生物といった自然本来の力を最大限に引き出すことで、環境への負荷を減らしながら生産を行うこと。
それこそが、オーガニックの本来の意義なのです。
かつての日本では、「オーガニック」や「有機」という言葉の表示に明確なルールがありませんでした。
そのため、店頭には独自の判断で「オーガニック〇〇」や「有機〇〇」と銘打った食品が溢れ、消費者が混乱する状況が続いていました。
また、多大な手間をかけて有機農業に取り組む生産者の努力が、正しく評価されにくいという課題もあったのです。
こうした状況を改善するため、2000年に農林水産省が国際的な基準に準拠して制定したのが「有機JAS制度」です。
この制度の誕生によって、日本のオーガニックは「主観的なイメージ」から、厳格な「客観的基準」へと進化を遂げることになりました。
現在、日本国内で「オーガニック」や「有機」と表示して食品を販売するためには、JAS法に基づいた「有機JASマーク」の貼付が義務付けられています。
これまでは有機農産物や有機畜産物、有機加工食品、有機飼料などが主な対象でしたが、2025年10月からは有機酒類にもこのルールが適用されることとなりました。
つまり、今後はワインやビールといった酒類においても、国が認めた公的な基準をクリアしていなければ「オーガニック」を名乗ることはできない、という仕組みが徹底されます。
このマークがない製品に「オーガニック」や「有機」という名称を表示することや、それと紛らわしい紛らわしい表現を用いることは法律で厳しく禁止されています。
万が一、認定を受けずにこれらの表示を行った場合には、表示の除去や販売禁止などの厳しい罰則が科されることも。
一目で「本物」を見分けられる一方で、生産者にとっては非常に重い責任を伴うこのマークは、まさに幾多の厳しいハードルを越えた製品にのみ与えられる「安心と信頼の証」といえるでしょう。

私たちが日常で手に取る機会の多い「有機野菜」や「有機果物」。
それらが「有機」と認められるためには、非常に厳しい基準をクリアしなければなりません。
以下、具体的な内容を詳しく見ていきましょう。
禁止された農薬や化学肥料を2年以上(果樹などは3年以上)使っていない健康な土で栽培すること。種や苗も、原則として遺伝子組換えではない有機のものを使用します。
近隣の畑から農薬が飛んでこないよう、十分な距離(緩衝地帯)や柵を設けるなど、周囲の環境から隔離された状態で育てることが義務付けられています。
病害虫が発生しても、まずは「天敵の活用」や「手作業での除去」を優先します。安易に薬剤に頼らず、自然の生態系を活かした農業を行います。
いつ、どこで、何を使って育てたかすべてを記録し、他の野菜と混ざらないよう厳格に管理します。さらに毎年1回、専門機関による立ち入り検査を受け、合格し続けなければなりません。

このように、いくつもの厳しいハードルを乗り越えたものだけが、本物の「オーガニック」として認められます。
私たちが目にする有機JASマークのには、生産者の方々のたゆまぬ努力と深い情熱が込められているといえるでしょう。
先ほど触れた通り、食の安全に対する基準は年々厳格化されており、2025年10月からはワインやビール、日本酒といった酒類についても、有機JASマークのルールが適用されることになりました。
これにより、お酒選びの際によく見かける「オーガニック」や「ナチュラル」という言葉は、法律上、その重みが明確に区別されるようになります。
| 表示名称 | 有機JAS認定 | 法律のルール |
| オーガニック / 有機 | 必須 | 厳しい基準をクリアし、認定がないと表示不可。 |
| ナチュラル / BIO / Eco | 不要 | 現時点では規制対象外。認定がなくても表示可能。 |
参考:有機酒類に関するQ&A(よくある質問)(国税庁)※2025年10月1日時点
今後「オーガニックワイン」という名称で販売するためには、原料となるブドウが有機栽培であることはもちろん、醸造過程においても化学的な添加物を制限するなど、食品と同様の厳しい審査をパスしなければなりません。
つまり、「オーガニック」と銘打たれたワインは、国がその透明性を保証した「公的なお墨付き」がある製品といえます。
一方で、近年ブームとなっている「ナチュラルワイン(自然派ワイン)」については、現時点では法律による明確な定義や表示のルールは設けられていません。
多くの場合、野生酵母での発酵や酸化防止剤の不使用など、造り手のこだわりや哲学を反映したものを指しますが、その基準はあくまで生産者やインポーターの自主的な判断に委ねられています。
そのため、「ナチュラルワイン=有機JAS認定品」とは限らないという点に注意が必要です。
同じ「自然派」というイメージであっても、「オーガニック」という言葉には法的な責任と厳格な裏付けが伴います。
2025年10月以降、お酒を選ぶ際に「有機JASマーク」がついているかどうかをチェックすることで、より納得感のある選択ができるようになったといえるでしょう。

「オーガニック」や「有機」という言葉は、単なるイメージやキャッチコピーではありません。
これらはJAS法によって厳格に管理された「法的な表示ルール」なのです。
2025年10月からは有機酒類にもこの基準の適用が開始されるなど、公的な監視の目はこれまで以上に強まっています。
有機JASマークがない製品に「オーガニック」と表示することは法律違反であり、その厳格さこそが私たちの食の安全を担保しているといえるでしょう。
厳しい審査をパスし続けている証である有機JASマーク。
それは、食の安全という「目に見えない価値」を可視化してくれる指標ともいえます。
このマークを日々の選択の基準に据えることは、自分たちの健康を守るだけでなく、誠実な生産者を支え、持続可能な未来を作る一歩にも繋がっていくはずです。
参考:調査体制と違反への対応(一般社団法人 日本農林規格協会(JAS協会))
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