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化粧品広告での「美白」表現はOK?NG?

2023.03.24 #化粧品 #薬機法 #美白

化粧品の広告で「美白」や「ホワイトニング」という言葉を目にすることはないでしょうか。
よく見るワードかもしれませんが、実はこれらの単語をやみくもに使ってしまうと、のちのち大きな問題につながることも。
今回は化粧品の美白訴求について、「薬機法」「多様性」「女性マーケティング」の観点から考えていきたいと思います。

薬機法から見た「美白」表現

化粧品の広告・宣伝において避けて通れないのが「薬機法」です。
この薬機法によって、化粧品の広告内で医薬品的な効果効能があると誤解されるような表現を使用することは禁止されており、訴求できる表現も厳しく規制されています。
「美白」表現も例外ではなく、たとえば化粧水の広告で「毎日使い続けることで肌がどんどん白くなる!」などと謳ってしまうと即NGに。
ただし、一定の条件をクリアすることで「美白」を謳うことができます。
「一般化粧品」と「薬用化粧品」、それぞれのケースで見ていきましょう。

薬機法から見た「美白」表現

一般化粧品

一般化粧品の場合、「肌を整える」「肌にツヤを与える」など、化粧品に認められた56項目の範囲内でしか効果効能を述べることができません。
「美白」は、この56項目に含まれていないため、効能効果として謳うことはNG。
ただし、肌本来の色を「白くする」のではなく、ファンデーションやパウダーなどによるメーキャップ効果で肌を物理的に「白く見せる」といった表現であれば可能です。

OK例:
・シミ・そばかすをきれいに隠す美白ファンデーション
・なじみのよいパウダーで気になる部分をしっかりカバーし、肌を白く見せる!

NG例:
・使えば使うほど肌が透き通るように白くなる美白クリーム
・なじみのよい美白パウダーで、シミ・そばかすが消えてなくなる!

薬用化粧品

薬用化粧品(医薬部外品)は、「一般化粧品」と「医薬品」のちょうど中間くらいの位置付けになります。
そのため、厚生労働省から承認を受けた一定の効果について訴求することができ、一般化粧品よりも表現できる範囲が広がります。
薬用化粧品では「メーキャップ効果により肌を白く見せる」という美白表現のほか、「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」または「日やけによるしみ、そばかすを防ぐ」の効果効能で承認を受けた商品に限り、定められた注釈を併記することで「美白」「ホワイトニング」の文言を使用することが可能です。
つまり、承認を受けた商品は、しみやそばかすを予防する表現として「美白」を謳うことができるのです。
ただし、いくら薬用化粧品であっても、「すでにできてしまったしみを消す」といった表現などは認められないので注意しましょう。

OK例:
・メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ美白美容液です
・美白* …*メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ

NG例:
・目の下のシミがどんどん薄くなる美白化粧品です
・美白* …*しみ、そばかすを防ぐ
※「メラニンの生成を抑え」という文言(しばり表現)は省略してはならない。

世界の動向から見た「美白」表現

では、世界のマーケットでは「美白」をどう捉えているのでしょうか。

美容業界では2020年のブラック・ライブズ・マター(Black Lives Matter)運動に端を発し、「美白」や「ホワイトニング」を謳う商品の販売を停止したり、パッケージの表記を変更したりする動きが出てきています。
実際、イギリスのユニリーバやアメリカのJ & J、フランスのロレアルといった大手化粧品会社が、既存の製品から「美白」の文字を削除。
日本でも2021年に花王が、化粧品の「美白」表現を取りやめると発表しました。
この動きは美容業界だけにとどまらず、2022年6月にはGoogleも自社の広告ポリシーを更新し、肌の色に優劣をつける美白製品の宣伝を禁止すると発表しています。

今後は大手化粧品会社を中心に、健康的な肌、光沢のある肌、輝く肌…など、肌本来の美しさを重視する訴求に転換していきそうです。

世界の動向から見た「美白」表現

女性マーケティングにおける「美白」表現

最後に、女性マーケティングの観点から「美白」表現について考えてみましょう。

女性消費者に向けたキャッチコピーを作成する場合、単純に商品やサービスの特徴を伝えるだけではなく、「いかに感情を動かすか?」という視点で考える必要があります。
「美白」というキーワードは女性消費者にとって確かに魅力的かもしれませんが、あくまでも商品の特性であって、感動・共感・笑いといった、感情に訴えるキーワードではありません。
そのため、「購入の決定打」にはなりにくいと言えるでしょう。

参考までに、女性の「共感」を集めて話題になった化粧品のキャッチコピーを一部ご紹介します。

女性マーケティングにおける「美白」表現

運命よりも、きれいになろう。」(2015 / SK-II)

こちらは「自分のDNAの限界を超えて運命を変える」ことをテーマに、「自分の肌の運命は、DNAではなく自分自身で決める」というメッセージが込められたコピー。
運命を変える第一歩を踏み出したいと願う女性を、肌と人生の両面から応援しています。

透明な朝を越えてゆけ。」(2019 /ロート製薬)

メイクでしっかりとカバーして素肌を隠すのではなく、光の効果等で素顔をきれいに見せることをコンセプトとするコスメブランド「SUGAO」のコピー。
「透明な」という言葉が商品の特徴にもつながっており、一日のはじまりにクリアで前向きな気持ちになれる様子が伝わってきます。

まとめ

化粧品の広告に「美白」というワードを使うべきかどうかは、自社商品の特性だけでなく、以下の点も考慮しながら総合的に判断する必要があります。

・薬機法の「美白」表現に対する規制は厳しいが、一定の条件下であれば使用できる(化粧品の分類によって異なる)。

・世界では多様性が重視され、「美白」から「どの肌でも美しい」「自分本来の美しさを大切にする」という訴求に転換してきている。

・女性マーケティングの観点からは、「美白」というワードを直接的に用いるのではなく、消費者の感情に訴えかける手法をとることが望ましい。

「美白」にとどまらず、何かと規制や制約の多い化粧品の広告表現。
正しい知識とアプローチで、女性消費者の心をしっかりつかむコンテンツを作成していくことが大切です。

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